こだわりたいこと

 都島道場長のブログに「こだわり」のテーマがあったので私も考えてみた。私の場合は「音のしない受身」かな・・・。

 

 まだ祥平塾に所属していたころ、「受身は円くボールが転がるイメージで。」と教えて頂いていた。

ある日の稽古で、一人受身の稽古で動きが雑になり音が目立ち始めた時に、菅沼先生から「ボールは音はしないよ。音のしない受身を目指して行きなさい。」とご指導を頂いた。静かさを保つには、終始足の先まで気を配らなくてはならない。先生は一人一人に合ったアドバイスを下さる。立ち上がる時に「パン!」と手で床を叩いて勢いよく受身をとる方のほうが圧倒的に多かった中で、先生が私にそのようにご指導下さったという事は、その受身が私に合っているんだと自分の中で解釈をした。そして、その時から「音のしない受身」を目指すことに決めた。

 

 しかし実際、飛び受け身の稽古となると、私が一番ドッタン・バッタン音を出している気がする(-_-;)。ドタンと落下して、取り(技をかける人)から「あ、ごめんなさい!」と時々謝られる始末。そんな時「あ、しまった。やっぱまだまだダメだなあ・・・。」と思う。

 

 そんな実情はあるが、ごく最近、熊本で祥平塾の審査会の見学をさせて頂いた時に、鹿児島県から参加されていた祥平塾傘下道場の方の受身を拝見する機会を得た。どんな技に対しても音の出ないしなやかな受け身で、一番びっくりしたのは腰投げの受身でも無音だったことだ。高さがあるのに音もたてずに着地できるなんて!  

 

 だいぶ前のことになるが、祥平塾の演武大会でこの方の道場の演武を拝見したことがあった。「受身に力を入れている」というアナウンスの下で、数人の子供たちが、うずくまっている人の背中の上を後ろ向きに静かに転がり下りたり、小手返しなどの技を掛けられて音を立てずに前受身を取っていた。都城合気道錬成会で稽古している受身とよく似ており、なんだか親近感を抱いてしまった。恐怖心を抱かせることなく、大切に大切にステップを踏んで稽古を続けることでこんな素晴らしい受身が取れるようになるんだな~と思った。

 これも以前の話になるが、都城合気道錬成会・山之口道場での出稽古で、山之口道場長が私の腰投げの受けをされた時に、音もなく私の腰の上を前受身で超えられ、私が上体を起こした時には、はるか向こうに転がって行かれていた。とても鮮やかだった。「あれ、いつ超えたんだろう?」と思うくらいに。

 

 まだまだ道は遠いけど、できるかぎり身体を柔軟に保ちながら畳と反発せず「音のしない受身」を目指して稽古を続けて行きたいと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします。

 

都城合気道錬成会 都島道場小林教室担当 伊達